第二十二歩目

10/20
前へ
/334ページ
次へ
龍矢さんの言葉を聞いて、みんなが「えーーーっ!」と一斉に声を上げた。 「結城課長が来ないんじゃ、つまらないじゃないですか!」 「そうですよ。結城課長が来ない飲み会なんて開く意味がない~」 それは言い過ぎじゃないの?と思った僕だったけど。 人気者の龍矢さんが行かないとなると、確かに盛り上がらないかもしれないな……。 「用事って、そんなに大事なことなんですか?」 八田さんに聞かれて、龍矢さんは「うん」と頷いた。 「どうしてもキャンセル出来ないんだ」 龍矢さんの言葉に、みんなが残念そうに肩を落とす。 「それじゃあ、しょうがない。10名で予約するか」 そう言って、本村さんが再びスマホを手にしたその時。 「いや、9名で予約してくれ」 龍矢さんが言った。 「え、どうして9名?」 龍矢さんの言う意味がわからなくて、ザワつくメンバー達。 そんななか、龍矢さんが再び口を開いた。 「“幸平”も俺と同じ用事があるから。 今夜はみんなで楽しんで来て欲しい」
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2520人が本棚に入れています
本棚に追加