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僕らが、なぜ今夜を待ちわびていたのか。
それは……。
今日が、僕達の結婚式だから。
たまたま龍矢さんの大学時代の友人に、お父さんの跡を継いで牧師さんになった人がいて。
その方に必死に頼み込むと、夜にこっそり挙げるなら協力してもいいと許可をもらい、男性同士でも式を挙げられることになったのだ。
閑静な住宅街の中にある古い教会。
荘厳な木の扉を開けると、僕の目にステンドグラスのカラフルな光が飛び込んで来た。
壇上には何百本もの真っ白いバラと、ゆらめくキャンドルの炎。
それらを見ただけで、僕は胸いっぱいになっていた。
そんな僕ににっこりと微笑みかけて、肘を向ける龍矢さん。
僕はコクンと頷いて、龍矢さんの左腕に手をかけた。
美しいオルガンの音色と共に、二人で一歩一歩バージンロードを歩いていく。
参列者は、一人もいない。
ビジネススーツの胸ポケットに、コサージュを付けただけの僕達だったけど。
僕らは牧師の導きで、永遠の愛を誓った。
神様に祝福されているかどうかは、実際のところよくわからない。
それでも……。
僕らは二人で生きていくことを選び、二人で誓いを立てたのだった。
この先何があっても、絶対に離れたりしないと……。
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