第二十二歩目

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・ ・ ・ 「はー、ただいまー」 「やっと帰ったー」 教会が少し遠い場所にあったから、家に帰るのが随分遅くなってしまった。 「幸平、とりあえず座ろう」 龍矢さんに言われるまま隣に座ると、すぐに彼に肩を抱かれた。 「このソファー、適度な硬さがあっていいよな」 「はい。背もたれも高いし、すごくラクですよね」 一緒に暮らすことが決まって、まずは部屋探しをした僕達。 会社から電車と徒歩で30分の好条件の場所に、すぐに1LDKの広いマンションが見つかって、僕らはそこへ引っ越すことになった。 それからというもの週末になると、新しい部屋に合う家電や家具を探しに二人で出かけた。 一つ一つ龍矢さんと話し合いながら決めていく作業は、本当に楽しくて仕方がなかった。 ようやく全ての家電や家具が揃ったのが、つい2日前。 結婚式も挙げたし、ようやくこれから僕らの新生活が始まるような気がする。
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