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「幸平、眠い?」
「ん、少し……」
「そうか。もう寝て良いよ……」
そう言うと龍矢さんは、僕の首の下に腕を入れて僕をそっと抱き寄せた。
「俺、激し過ぎたかな……」
僕の頭の上で、龍矢さんがボソッと呟いた。
「ふふっ。ちょっと、そうかも」
「これから、いくらだって抱けるのにな。
お前が相手だと、どうも俺は歯止めが利かないらしい」
そう言った後、龍矢さんの身体が火照るのが伝わって来た。
少し、照れているのかもしれない。
「いいですよ……」
「ん?」
「何度でも抱いてください……。
だって僕は、龍矢さんのものだから……」
そう伝えたら、龍矢さんに急にガバッと強く抱きしめられた。
「そんな可愛いこと言われたら、また抱きたくなるだろう?
バカ……」
「ご、ごめんなさい……」
だって、本当にそう思うから。
「あー俺、マジでやばいくらいお前が好き。
だから、幸平。
これからも、ずっと俺の隣にいろよ……」
龍矢さんの声が、少し遠くから聴こえる。
まどろみの中「はい」と返事をした後、僕は龍矢さんの腕の中で深い眠りについた。
それは幸せな。
本当に幸せな。
穏やかな朝だった。
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