第二十二歩目

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「幸平、眠い?」 「ん、少し……」 「そうか。もう寝て良いよ……」 そう言うと龍矢さんは、僕の首の下に腕を入れて僕をそっと抱き寄せた。 「俺、激し過ぎたかな……」 僕の頭の上で、龍矢さんがボソッと呟いた。 「ふふっ。ちょっと、そうかも」 「これから、いくらだって抱けるのにな。 お前が相手だと、どうも俺は歯止めが利かないらしい」 そう言った後、龍矢さんの身体が火照るのが伝わって来た。 少し、照れているのかもしれない。 「いいですよ……」 「ん?」 「何度でも抱いてください……。 だって僕は、龍矢さんのものだから……」 そう伝えたら、龍矢さんに急にガバッと強く抱きしめられた。 「そんな可愛いこと言われたら、また抱きたくなるだろう? バカ……」 「ご、ごめんなさい……」 だって、本当にそう思うから。 「あー俺、マジでやばいくらいお前が好き。 だから、幸平。 これからも、ずっと俺の隣にいろよ……」 龍矢さんの声が、少し遠くから聴こえる。 まどろみの中「はい」と返事をした後、僕は龍矢さんの腕の中で深い眠りについた。 それは幸せな。 本当に幸せな。 穏やかな朝だった。
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