第一歩目

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・ ・ ・ 「わぁ、まつ毛長ーい」 「なんか外国の美少年みたいだよね」 「首、ほっそー。すげぇ華奢だよなー」 「ってか、あたしより背低くない?」 結城課長と共に事務所に着くと、営業第一課の人達が僕を見てザワザワと騒ぎ始めた。 「みんなには昨日話したけど、彼が今日から一緒に仕事をする柏木君だ」 「柏木と申します。よろしくお願いします」 そう言って頭を下げると、第一課総勢10名が盛大に拍手をしてくれて、一人一人簡単な自己紹介をしてくれた。 「柏木の席はあそこ。本村(もとむら)の隣だ。 本村は、柏木の一つ上の先輩で年齢も近いから。 わからないことは、アイツに聞くといいよ」 「はい」 結城課長に言われて空いているデスクまで歩いて行くと、本村さんが人懐こい笑顔で僕を迎えてくれた。 「さっきも自己紹介したけど、本村です。よろしく」 気持ちが良いくらいの短髪とガッチリとした体型は、いかにも体育会系といった感じ。 「わかんないことあったら、遠慮なく何でも俺に聞いて」 「ありがとうございます」 良かった。 話しやすそうな人が隣の席で。 僕は自分の席に座ると、さっき結城課長から受け取った書類に早速目を通し始めた。
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