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2月14日――
奈美ちゃんは、前日可愛くラッピングを済ませたチョコレートをシンプルな紙袋へ入れて、学校へ向かった。
僕は、奈美ちゃんが家から出るのを窓から見てるだけしか出来なかった。
嬉しそうな足取りで帰ってきた奈美ちゃんを見つけ、僕は奈美ちゃんの家へと急いだ。
今日は、遊んでくれるかな?
今日は、頭も撫でてくれるかな?
奈美ちゃんちに行くと、今日は家から甘い匂いはしなかった。
『お帰り、奈美ちゃん。遊ぼう』
すり寄る僕を、奈美ちゃんは抱きしめた。
「先輩に、チョコレート受け取ってももらえたよ。クロ」
『にゃ~お』
「クロも喜んでくれる?ありがとう」
奈美ちゃんは嬉しそうに頬を赤らめ、僕をワシャワシャと撫でる。
僕は、2月が嫌いだ。
僕が食べれない、チョコレートも大っ嫌い。
でも、奈美ちゃんが嬉しそうならそれでいい。
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