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夜21時過ぎに、今度は燿馬がやってきた。
自転車とはいえ、真っ暗い道だから交通事故が心配なのに、高校生は元気が有り余ってるみたい。
久しぶりに合う燿馬は確かに目つきが別人のようになっていた。
「これ、おみやげ。親父がダッチオーブンで焼いたチーズケーキ」
「ありがとう。晴馬君のチーズケーキ久しぶりね。夕方は夏鈴がおはぎをもってきたのよ。それに、恵鈴も来てくれて。今日は賑やかね」
燿馬は落ち着いた大人の男のように薄く微笑んで頷いた。
「あのさ・・・。相談っていうか、お願いがあるんだけど」
「なに?今、温かい飲み物淹れてあげるから座って」
ウインドブレーカーを脱いだ燿馬の身体はより大きくてしっかりとしてきていた。もう少年ぽさが大分薄れてきていて、腕には細身ながら筋肉がついていた。手足が長い晴馬君ゆずりのスタイルの良さが光っている。髪型もオシャレに目覚めたのか、今までとは違ってモデルさんみたい。
「良い髪型ね。どこで切って貰ってるの?」
「親父のお客さんの美容室。カットモデルになれば無料だからって、頼まれちゃって」
モデルに雇いたくなる顔してるもの。なんだか、嬉しくなっちゃう。
「あのさ、美鈴ちゃん。恵鈴からもう聞いたかもしれないけど、俺と恵鈴のこと」
「ええ、聞いたわよ」
「どう、思ったか正直な感想を聞きたいんだけど」
「どうして?」
「だって、どう考えたって俺と恵鈴は兄妹だ。それなのに、お互いに本気で好きになって・・・。時間が経ったら気持ちが変るかもしれないし、この気持ちがずっと続くのかわからないなって思ってる。そんなことをあいつに言えば、泣き虫だからさ。まだまだ、平常心には程遠いんだよね。客観的意見を聞きたいんだけど、似たような立場になった人の意見とか聞きたくて」
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