第2章 強く儚い者達

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似た立場になったって?私が? 「ごめんね。質問にはちゃんと答えるけど、その前に聞きたいの。どうして私が?」 「美鈴ちゃんは一瞬で夏希さんと運命の人だってわかったんでしょ?」 なるほどね。そういうことか。 さすが、燿馬。 押さえるところをわかってる。 「あなたにとって恵鈴が運命の人か、心配なのね?」 「違う、反対だよ。っていうか、どっち道同じなんだけどね・・・」 左頬を引きつらせるような苦笑い。 この仕草、少しだけ夏希に似てる気がする。 「間違いを恐れるなっておふくろは言うけどさ。 俺達の場合、取り返しつかないだろ? あいつが将来、俺以外に本当に好きになる人がこの先現れるかもしれない。 その時に、実の兄とそういう経験があったら あいつは自分に自信持てなくなるんじゃないのかって思って・・・」 「ものすごく真剣に考えているんだね、燿馬。 ずっと寡黙な子だったけど、実は内面では色んなことを見て考えていたのね。 今、すごく感動してるわ。あなた、良い男に成長してる」 私が褒めたら、燿馬は照れ臭そうにはにかんだ。 「慎重と臆病は紙一重って言うわ。 そこを乗り越えるには、相当な覚悟と勇気が要るわね。 じゃあ、教えてあげる。私と夏希がどんな風に結ばれたのか」 燿馬は真っすぐな目を向けて、頷いた。
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