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「悪いけどさ、俺が外に出て追い返すから、念のため立花さんはこっちの部屋に入っててよ」
そう言って納戸の扉を開ける。
「私が入っても納戸は怒らない?」
納戸の中を覗き込むと、安岡さんは緩く笑った。
「大丈夫。納戸が怒ってたら、こうはならないから」
「そうなの? なら、いいけど……」
扉の向こうには、廊下が伸びている。
私が昨日用があって開けた時は『ただの納戸』だったから、安岡さんの言う通りなのかもしれない。
おずおずと廊下を進み、安岡さんの部屋の前に立つと
「じゃあ、あとでね」
安岡さんはそう言って、納戸の扉を閉めた。
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