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私は心細い気持ちのまま、改めて廊下を見まわした。
廊下に並ぶドアは4枚。向かい合う手前の2枚は、安岡さんとめぐみさん(とアレン)の部屋だ。
奥の2枚はどうなっているんだろう?
空き部屋だよね? 住人がいたらホラーだわぁ。
怖さと好奇心がごちゃ混ぜになって、恐る恐る奥にある左側の扉のノブに手をかけた。
てっきり鍵がかかっているだろうと思っていたその扉は、あっけないくらいにあっさり開いた。
中をそぉーっと覗き込む。
家具も何もない、がらーんとした部屋。
驚いた。納戸ったら、住む住人が決まってから家具を用意しているのかしら?
それとも、前の住人が揃えた家具なのかな?
それにしては、安岡さんとめぐみさんの部屋の家具は、基本的に同じっぽいし……。
納戸に関しては謎ばかりだから、どんな展開でも『アリ』の様な気がした。
納戸が魔法でベッドや机を用意しただなんて、普通に考えたらバカバカしくて、鼻にもかけない想像だけど、今まで納戸には驚かされてばかりだからなぁ、とつい肯定してしまう。
そんなことをぼんやり考えていたせいだと思う。
私はうっかりその部屋に足を踏み入れてしまった。
「あ……」
すぐに嫌な感じがして……ヤバイ、と思った。
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