納戸に纏わる人々

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「ぷっ!」  私は小さく噴き出した。  それを見ていた安岡さんが、コーヒーをテーブルに置いて「なに?なに?」と身を乗り出す。  待ってました、のリアクションに、手に持っていた携帯画面を安岡さんへと向けた。  それは世界的にも有名なSNSの画面。  安岡さんは、その画面を上から下まで指でスクロールし、最後まで読み終わると 「相変わらずだなぁ~」  と感想を述べた。  私も賛同の意を表し、大きく頷いた。   「まったくだよね」 ****  私には2人、いや4人と言うべきかな…、のルームメイトがいる。  うーん。そもそもルームメイトって言えるのか、微妙なんだけど……  1人は、座敷童というか、今となっては主夫というか…、私よりも先にこの部屋に住みついていた安岡三郎さん。  そして2人目は、ある事件をきっかけに一緒に住み始めた青木めぐみさん。  安岡さんはあまり自分の話をしないから、詳しい事はよくわからないけど、この家に住みつく前は、何人もの女性の家を転々としていたらしい。  つまり、世間でいうところの『ヒモ』っていうのかな。  昔から定職にもつかず、日雇いの仕事で暮らしていたみたい。  本人もそれが板についてしまったのか 「今更、就活なんかできねぇ」なーんて言う。
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