納戸と私と彼らと彼女 ４

進展

　その日は朝から会議に出ていた。
　来春から子ども支援課の【こどもＳＯＳ】と福祉課の【女性支援相談】を統一させる計画が持ちあがり、いよいよ本格的に動きだすことになったからだ。

　今私が担当している【こどもＳＯＳ】では、基本的に子供の相談しか受け付けることができない。
　なぜなら、担当者はその相談を『児童相談所』へ申し送りする連携が取られているからだ。
　児童相談所は、児童（０歳から１７歳までの子供）を守るための機関だから、子供が絡まない相談は原則受けることができない。

　母親と子供が暴力を振るわれている場合、一緒に受け付けるケースはあるけれど、その場合も母親に関しては福祉課の【女性支援相談】へ申し送りされる。
　そしてその後の審査に応じて『女性シェルター』への入居や家庭裁判所への報告などの処置が取られることになる。