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ピンポーン
チャイムを押すと、神妙な顔の安岡さんがドアを開けて私を中へと促した。
「どう? 様子は?」
「あぁ、とりあえず寝てる」
「雄大くんは?」
「そっちも今寝たところだ。まいったよ」
随分お疲れの様子だ……。
「俺、これから仕事でさ……。いいかな?」
私が返事をすると『悪いな』って一言漏らし、そのまま靴を履いて出ていった。
帰りは2日後。深夜出発の長距離トラックの助手席に乗るそうだ。
安岡さんを送り出して、そのままリビングへと進むと、雄大君がリビングに敷かれた布団で寝ており、その横でめぐみさんも横になって目を瞑っている。
寝室になっている和室を覗くと、小池さんが布団に入って眠っていた。
昼間の電話で呼び出されたけれど、思いの外遅くなってしまった。
めぐみさん、気を遣って疲れたんだろうなぁ。
差し入れに用に買った食材を冷蔵庫にしまい、さてどうしようかと思いを巡らせた。
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