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小池さんの看病と雄大君の世話。
安岡さんもめぐみさんも普段し慣れないことをしたから、相当疲れたんだと思う。
「とりあえず、今夜はここにお泊りかな」
寝室の押し入れを開けると、幸い布団はある。
私はリビングに布団を敷いて、めぐみさんに声をかけた。
「めぐみさん、布団敷いたから、そっちで寝よう」
ゆさゆさ体を揺らすと、めぐみさんはうっすら目を開けた。
「あおい……? おめぇ、おせーよ。
あのガキ、寝ないし騒ぐしで、大変だったんだぞー」
「アレン? うん、ごめん。
雄大君もお母さんが病気になっちゃって不安なんだよ」
半分目を瞑ったまま、アレンはハイハイで移動しながら、布団に潜った。
「お前は?」
私は毛布を指さして
「毛布にくるまって隣に寝転ぶから大丈夫」
そう言うと、アレンは布団を半分捲って「ほら」と言った。
「えっ!? でも……」
だって、アレンは男の人だし。……いや、身体はめぐみさんだけれど……。
うーん、でも、でも……
私がグルグルしていると、アレンは「ふはっ」と柔らかく笑った。
「ばーか。お前になんて発情するかよ。
早く入れよ。明日は雄大を保育園に連れてくんだぞ!」
5時起きだからな、と更に言われて、まあ、変に意識している方がおかしいか、と考え直してアレンの隣に潜り入込んだ。
とはいえ、少しだけドキドキしていたっていうのに、隣からはすでに寝息が聞こえてきた。
やっぱり疲れたんだろうなぁ。
安岡さんはトラックの中でちゃんと眠れてるかな……、なんて想像しているうちに、私の意識もなくなっていた。
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