25人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
「どうしよう、めぐみさん。雄大君が起きない!」
キッチンに声をかけると、めぐみさんが返事をする前に寝室のふすまが開けられた。
「わっつ! 立花さん!? どうしてここにいるの?」
顔を赤くして気怠そうに立っている小池さんが驚いた顔をしている。
「あ、小池さん、おはよう。うん、実は、昨日電話があって助っ人に来たの」
「えっ? なんで? あ、もしかして三郎やつがSOSに電話したわけ?
子育て支援って、こんなことまでしてくれるの?」
そう言いながら、テレビのスイッチを入れる。
「ほら、雄大!朝の体操始まるよ! 起きろ!」
小池さんは、雄大君の両腕を掴んで起き上がらせた。
ゾンビみたいに起き上がった雄大君は、朝の体操のテーマ曲が流れると、
「うおっ」と声を上げて飛びあがった。
今度は私が目を丸くする番。
「雄大は、このテーマ曲を聴くと起きるの。面白いでしょ」
小池さんは少しだるそうながらも、カラカラ笑った。
最初のコメントを投稿しよう!