25人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
*****
***
「それじゃ、行ってきます!」
「いってらっしゃい。気を付けて。雄大君のことお願いします」
めぐみさんに見送られ、私は雄大君の手を握ってアパートを後にした。
まずは雄大君を近所の保育園へ送り、一度家に戻って身支度をしてから登庁するつもりだ。
めぐみさんは小池さんちの家事を済ませてから、家に戻ることになっていて、小池さんには、今日は一日大人しく寝ているようにと約束させた。
インフルじゃ外にも出られないから、雄大君のお迎えは私が仕事帰りに行くことになっている。
小池さんは、安岡さんにお願いしたつもりだったのに、予想に反して私達が手伝っていることにかなり恐縮していた。
特にインフルエンザ感染を心配していたんだけど……。
安岡さんは『インフルエンザ? なんだそれは?』ってボケてみせるほど、生まれてから一度も罹ったことがない体質だそうで……(いるんだよね、そうやって世の中の流行に乗らない人って……)
めぐみさんも私も職場の通達で、しっかり予防注射をしたから大丈夫だと思う。(もちろん、予防もしているし!)
まあ、本当はそれだけじゃなくて、特にめぐみさんに対しては、初対面の印象がお互いあまりよろしくなかっただけに気まずそう。
二人きりにして大丈夫かな……。
一応さっきめぐみさんに確認したら『大丈夫です。洗濯終えたらすぐに戻りますから』と笑顔で言っていたけど……。
私も仕事を休むわけにはいかないし、ここはめぐみさんを信じよう!
心を鬼(?)にして、雄大君と保育園に向かった。
そして昼休み。
めぐみさんのその後が気になって携帯を覗くと、すでにめぐみさんからメッセージが入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!