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「いただきまーす」
雄大君とはなちゃんはほぼ同時に声をあげると、喜び勇んで目の前のオムライスにスプーンを差し込んだ。
いや、さすが本物のお母さん。
小池さんは冷蔵庫を開けると、あっという間にオムライスの材料を取りだし調理を始めた。
私は土鍋に冷凍ご飯を入れ、ぐつぐつ煮る火の番に徹している。
オムライスを作りながらも、ブロッコリーを電子レンジにかけたり、料理済みのニンジンが出てきたりと……、あっという間に食卓が彩られる。
「手際いいなぁ~」
普段の安岡さんの男料理でも感心するのに。小池さんの女子力?いや母力?はすごい。
「平日は料理している時間がないから、休日にまとめて下ごしらえしておくのよ。こうしておくと時短できるし。けど、殆ど手抜き料理だよ」
さも当たり前のように口にする。
「あ、お粥、梅干と鰹節いれてくれる?」
ぐつぐつの土鍋を指さされて、私は張り切って梅干し1個と、鰹節一掴みを入れて、火を落とした。
はい、私担当の料理終了。
うわぁ~、私の料理スキル……、やばいなぁ。
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