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「ねねね、雄大君ママ、テレビ観てもいい?」
はなちゃんがそう訊くと、小池さんは立ちあがって
「いいわよ。今日もお泊りしていきなよ~。明日土曜日じゃん。
ね? 立花さんもいい?」と私に振り向いた。
「は、はい、まぁ……」
言い終わらないうちに、はなちゃんの「やったー」と言う声が被る。
土曜日は、めぐみさんの仕事がある日なんだけど……、朝早起きして一度帰ってすぐに出直せば間に合うかな。
それに、あのはなちゃんの楽しそうな様子を見ていたら、めぐみさんもダメとは言わないかなぁ、なんて勝手に解釈して頷いた。
小池さんはテレビ台の下から、人気アニメ映画のDVDを取りだしてセットしている。その間に私はテーブルの上を片付け、洗いものをした。
大人が2人いれば、こんな風に分担できる。分担したぶん、余裕が持てる。
シングルマザーの小池さんは、何もかも一人でやっているんだ。
『大変だね』と言うのは、簡単だ。
だって、誰が考えたって、大変に決まっているもの。
じゃあ、どうしたらいいんだろう。
きっとたくさんいるであろう、シングルマザーが子供と向き合える時間を作るために、何ができるだろう?
【こどもSOS】と【女性支援相談】を一つにするだけじゃなくて、それ以外にもきっと私達にできることがある。
きっとあると思う。
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