めぐみさんは、はなちゃん

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***  子供達がテレビに夢中になっている隙に、小池さんを寝室へと促した。  熱を測るとまだ少し高い。  布団に横たえた小池さんは、リビングから漏れる光に少し眩しそうに目を閉じた。  私がふすまを半分閉めたところで、 「ねぇ、少し開けておいて」と言う声が聞こえたので、そのままにして小池さんの側に寄った。 「大丈夫ですか? 眠れそう?」  声をかけると、小池さんは小さく頷いた。 「正直言うとさぁ。シングルマザーって、キツイなぁって感じるんだよね。  特に今回みたいに、自分が病気になったりするとさ……。  あぁ。やっぱり一人で子ども育てるのって、キッツイなぁってさ……」  そう弱々しく呟いた。
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