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そもそも安岡さんと小池さんを再会させたのは私だ。
ふたりが再会したのは『子供の鳴き声が酷い』と、子供SOSに連絡が入り、安岡さんと一緒に偵察に行った先が小池さんの家だったのだから。
アパートの下見に出かける私の後をついてくる安岡さんの真意が、あの時はわからなかった。ただの気まぐれだと思ってた。
けれどあの日どうして安岡さんが一緒に行くと言いだしたのか、今ならわかる。
私が口にした住所とアパート名が、以前小池さんと暮らしていたアパートと同じだったからだ。
あの時の私は、安岡さんの知り合いなら尚更何とかしてあげたい、と思っていたし、 安岡さん自身の口ぶりも『完全に終わった二人(穏かな和解)』というニュアンスだったから、今後は友達として助け合えるんじゃないかな……、って本気で思ってた。
だから家庭訪問の時、安岡さんの名前を出して縁を繋げよう、と思ったりして……。
それなのに……、今まで、時々小池さんから安岡さんの名前が出るたびにドキドキしたり、言いようのない不安にも駆られてた。
本当は安岡さんと同居しているのに『納戸の秘密』を言い訳にして、小池さんにはもちろん、安岡さんにも何も報告しなかった。
めぐみさんが漏らした言葉が、胸の中心で叫んでる。
『邪魔、されたくないんです』
――うん、私もだ。今の生活を壊したくなかったんだ。
言えば、安岡さんが小池さんのところに行ってしまうかもしれない……。
それが怖かったんだ。
そしてそれは、何も小池さんに限ったことじゃなくて……。
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