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私……、何やってたんだろう。
どうして、なんの疑問も感じなかったんだろう。
無関心なことほど罪なことってない。
規則だから、自分の受け持ちじゃないから……、と善意も悪意もない、何の感情もない日常の処理作業。
人生が変わってしまうかもしれない現場にいたっていうのに……。
私の『無関心』は大罪だ。
この大罪によって、少なくない『無戸籍の子供』を生んでしまったんだ。
不安な気持ちを抱えて出生届けを出しに来た母親に対して「おめでとうございます」の一言も言えずに、書類の不備だけを告げ、母親に絶望を与えた。
『もう何をしても無駄だ』と諦めさせるような……。
私はそんな仕事をしていたんだ。
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