納戸と私と彼らと彼女 ４

家族のかたち

　昨夜思う存分大泣きした私は、途中から頭が痛くなり、泣きながら部屋に閉じ籠った。

　そして翌日更にひどい頭痛で目覚めると、ご丁寧に発熱までしていた。寒気とかはないから、きっと『知恵熱』の一種だろう……とはめぐみさんの見解。

　子供か、私は！？
　とはいえ、役所には先ほど病欠の連絡を入れたところだ。

「はぁー。安岡さん、どう思ったかなぁ……」

　結局安岡さんの話も中途半端にしたまま、部屋に戻ってしまった。
　あの後、安岡さんとアレンで何か話しただろうか。
　めぐみさんにも訊きにくかったから、そのままだ。

　時計を見ると７時を過ぎたところだった。
　小池さんのインフルエンザはすっかり治り、明日から仕事に復帰することになっている。念の為、保育園の送り迎えは今日までめぐみさんに頼んだそうだ。

　ーーじゃあ行ってきますね。
　めぐみさんの声と玄関を出る音を聞きながら、目を閉じた。