199人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は午後から、プレスクールで知り合ったお友達が遊びに来る。
以前、呼ばれてお邪魔した手前、呼ばないのも悪い気して。
それに悠李を同じ年頃の子供たちと遊ばせてあげたかった。
午後一時半と言っていたので、そろそろ来られる頃だ。
人様に出せるような手作りのお菓子など、作れるわけもないので、午前中に雪花を抱っこし、悠李の手をつないで、駅そばのケーキ屋さんまで足をのばした。
2組の親子連れが来るので、6人分のケーキと、手作りクッキーとを買った。
ピンポーン!
「あ、ママ来たよ。蓮くんたち」
チャイムの音に悠李がすぐに反応して、玄関へ迎えに出た。
「こんにちは~」
「お邪魔しま~す。あ、悠ちゃん、こんにちは~。ほら、蓮、悠ちゃんいたよ~」
蓮くんは玄関をキョロキョロと眺め終えると、自分で靴を脱いで、さっさとリビングへ走っていった。
「コラ、蓮! 待ちなさいって。もう、ごめんなさいね」
元気なママの子はやっぱり明るくて元気だ。蓮くんママは、亜麻色にカラーリングした長い髪にゆるくウェーブがかかっている。メイクはそれほど派手ではないけれど、びっくりするような長いつけまつげをつけている。
「大丈夫ですよ。悠李も蓮くんたちが来るのずっと楽しみにしてたから」
「彩矢さん、こんにちは~、ここ便利ね。駅から歩いて5分なんだもん、子連れには超助かる~」
そう言ったのは瑠奈ちゃんのママで、瑠奈ちゃんはママの後ろに隠れていた。胸にはまだ3ヶ月の赤ちゃんを抱っこしている。
見た感じでは何処にでもいる普通の清楚な奥様だけれど、ちょっとヒステリックなところがある。
「瑠奈ちゃん、こんにちは。よく来てくれたね」
恥ずかしそうに隠れている瑠奈ちゃんに、子供の頃の自分を重ねる。
「もう、瑠奈ったら、そうやってグズグズしないの! 蓮くんなんかもう、遊んじゃってるよっ」
叱られた瑠奈ちゃんが泣きそうな顔でうなだれた。
「瑠奈ちゃん、靴脱がせてあげる、ここに座って」
瑠奈ちゃんママは赤ちゃんを抱っこしているので、瑠奈ちゃんの靴を脱がせてあげた。
最初のコメントを投稿しよう!