桜の舞う公園で

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アフターファイブのお誘いも減って、家に帰っても遼介は遅いし、子供がいるわけでもないので暇をもてあます。 趣味でも何か始めた方がいいのだろうか。 すでに定年を迎えた年寄りにでもなったような気がして、虚しさを感じる。 日替わり定食の塩サバをおかずにご飯を食べていたら、向かい側に谷さんが来て微笑んだ。 「めずらしいね、一人?」 谷さんがそう言って、テーブルに同じ日替わり定食のトレイを置いた。 「めずらしくなんかないよ~ 私なんて嫌われ者なんだから」 ふて腐れた顔でかぼちゃの煮物を食べる。
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