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潤一の野望
*彩矢*
ライラックの咲く頃となり、来週からは札幌祭やよさこいソーラン祭りなどが始まる。
梅雨のない北海道の六月は、朝晩は少し肌寒いけれど、とても過ごしやすい。
最近になって潤一は、週末よくゴルフへ行くようになった。
先々月、教授の公開オペがあって、第一助手を務めた潤一は、どうやら教授のお眼鏡に叶ったようなのだ。
相性も良かったのか、すっかり意気投合したようだ。
「医局の上下関係は俺には向いてないから、出世なんて諦めてたけどなぁ。俺にもやっとツキがまわって来たって感じだな。開業医も捨て難いけどな。俺、腕がいいから流行るだろ? なぁ、彩矢、おまえは開業医の妻と、大学教授の妻だったらどっちがいい?」
「…………」
まだヒラのくせに、既に助教か准教授にでもなっているかのような口ぶりだ。
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