カウント11年の箱庭

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「ばっかじゃないの!?なんでそんな条件出されてまで付き合おうとするわけ!?普通さ、遠回しに断られてるって思わない!?だいたい、なにその条件。合格ラインを超えろって、それくらいの成績がないと亜澄様と付き合うのにふさわしくないってこと?期間限定ってなに?次のテストって言ったら卒業試験のことでしょ!?卒業試験から卒業までって言ったら一ヶ月もないじゃない!しかもしかも、その間相手に触れるの禁止とかどういうことよ!意味わかんない!!」  折りたたみテーブルをばんばんっと叩きながら叫ぶ芽衣子に対し、和斗は「だね~」と、まるで興味なさそうに答えた。芽衣子はそんな和斗をじろりとにらむと、テーブルの上に身を乗り出し、その左頬を引っ張った。 「いたっ!!なにするんだよ!」 「なにするじゃないわよ!あんた、ちゃんと聞いてる!?」 「聞いてるよ」 「じゃあなんで、そんなどうでもいいみたいな言い方なのよ!あんたは奏汰がどうなってもいいわけ!?」 「いや、だってそれは奏汰が決めることで、俺達が横からどうこう言うことじゃないっていうか…………」 「どうこう言うことよ!!友達でしょ!?」
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