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「友達だからって、そこまで干渉する権利はないっていうか…………それじゃあ逆に聞くけど、芽衣子は、自分が好きになった相手を俺や奏汰があれこれ言ったら言うこと聞くわけ?」
「そんなの決まってるわ。あんた達の言うことなんて聞くわけないじゃない」
「あのなぁ…………」
「っていうか、だいたい私はそんな相手を好きにはならないもの」
と自信たっぷりに言う芽衣子に、和斗はあきれたまなざしを向ける。
「そんなのわかんないだろ」
「わかるわよ。だいたい、この私に条件を出すやつなんてその時点でお断りよ!」
「…………どんだけ自分に自信があるんだよ」
「だって、この私よ?」
そう言って長い髪をかき上げてみせる芽衣子に、和斗は頬をひきつらせる。
そんな和斗の反応が気に入らなかった芽衣子は、今度は和斗の右頬を引っ張った。
「いたっ!やめろって!」
「なによ!なんか文句あるわけ!?」
「文句っていうか…………」
「なにかあるんでしょ!?あんたのそういうはっきりしないところが一番嫌なのよ!!言いたいことがあるなら言いなさいよ!!」
「いい加減にしろ!!」
と、怒鳴り声とともに勉強机をばんっと叩いたのは、それまで二人に背を向け無視を決め込んでいた、この部屋の主であり、話題の中心である奏汰だった。
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