第3章 年下の男の子

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朝礼が終わり、部長に事情を話して、私は早速POPが届いていないお店へ。 「はあー。今から駅に向かって、電車に乗って……」 そこへバイクの音が、鳴り響く。 誰だよ、朝から。 横目でちらっと見たら、そのバイクに乗っている人は、私の横に、バイクを停めた。 えっ? まさかの知り合い? ヘルメットをとったその人は、こんな時に会いたくなかった谷岡君だった。 「おはようございます、久実さん。」 「おはよう……谷岡君。」 この前の週末の別れ方があれだっただけに、なんだか気まずい。 「あの後、無事に帰れました?」 「ああ、うん。」 まさか、部屋の鍵をなくして、間野さんの部屋に泊まらせて貰ったなんて、口が割けても言えない。 「そう……ですか。」 意味深な受け答えをした谷岡君。 「実は、一度家に帰った後、コンビニに行く用ができて、あの道もう一度通ったんです。そうしたら、これが落ちてて……」
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