第3章 年下の男の子

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谷岡君がポケットから出したのは、私のキーケースだった。 「あっ!それ、私の!」 「やっぱり。」 谷岡君は私の手の中に、キーケースを置いた。 「久実さん。間野さんが来て、カバンで頭隠してたし。その時に、落ちたんじゃないかって。よかった。拾っておいて。」 ああ。 なんて谷岡君は、優しい子なんだろう。 この時、つくづくそう思った。 「有り難う。」 その優しさに、涙が出てくる。 「あっ、でも。今、鍵渡したとしたら、土日はどうしてたんですか?お友達の家にでも、泊まってたんですか?」 「ああ……実は、不動産に電話して、新しい鍵に変えてもらったのよ。」 正直に、谷岡君には話した。 「えっ!すみません。僕が余計な事したかも。」 「ううん!」 私は手を大袈裟に、左右に振った。 「そう言えば、僕久実さんの連絡先知ってたのに。ああ、何やってんだろ。本当にごめんなさい。」
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