第3章 年下の男の子

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「そんな事、どうだっていい。君の部屋は、もう直ぐなんだろう?ほら、さっさと帰れ。こいつは俺が引き取る。」 「えっ!!」 酔いが冷めた私は、カバンを抱き締めながら、後ずさりを始めた。 「久実さんは、嫌がってるようですけど?」 「なに~?」 ドスの利いた低い声に、思わずカバンで顔を隠す。 「いえ、大丈夫です。私はもう酔いが冷めたので。」 「だとよ。」 間野さんに言ったつもりなのに、谷岡君にそのまま返してる。 さすがの谷岡君も、呆れてる。 「分かりました。じゃあ、久実さん。お休みなさい。」 私はカバンを取り、精一杯の笑顔を谷岡君に見せた。 「今日は有り難うね。気を付けて帰って。」 私が手を振ると、谷岡君も手を振ってくれた。 私を癒そうとしてくれた谷岡君の背中が、どんどん小さくなっていく。 残されたのは、ここで会うはずのない先輩と後輩の二人。 「……偶然ですね。」
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