第3章 年下の男の子

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素っ気ない答えに、胸が痛くなって、ソファに座った。 さっきは気づかなかった、間野さんを財布が置いてある。 「なんかパンパン。」 レシートが一枚、財布から出ていて、独身男性の生活を、垣間見た気がした。 「何買ったんだろ。」 財布を開けずに、レシートを覗くと、そこにはさっき谷岡君と一緒に行ったお店の名前が。 「えっ?」 もしかして、あのお店にいたの? いけないと思いつつ、財布を開けて、レシートの中身を見た。 一人分の飲み物と、一人分の食事。 なんで? なんで間野さんが、同じ日に同じお店に、一人で来てるの? そこへ間野さんが、バスルームから出てきた。 慌てて財布を、元の場所に戻す。 「早かったですね。」 振り返ると、間野さんはTシャツに短パン姿。 思いっきり、くつろぎモードじゃん。 私は恥ずかしくて、また真っ正面を見た。 そんな私を無視して、間野さんは隣に座る。
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