第3章 年下の男の子

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髪の毛をバスタオルで拭きながら、間野さんは低い声で、こう聞いてきた。 「財布、触ったか?」 「いえ。」 「嘘つくな。位置がづれてる。」 ええ~!! 細かいところに、気づくな~!! 私がちらっと財布を見ると、間野さんはそれを、手に取った。 「レシート、見たのか。」 そ、そこまで! もう、言い逃れはできない。 「すみません!」 私はソファの下の床に正座して、間野さんに謝った。 「いや、いいよ。」 それだけ言うと、間野さんはソファに、再び横になった。 「あ、あの……」 「いいから、お前も寝ろ。」 少し間を開けて、私は立ち上がった。 このまま、聞きたい事も聞けず、気になったまま、眠れるのか。 そんな訳ないと思った。 「先輩も、同じお店に来てたんですね。」 間野さんからの、返事はない。 「お友達とですか?レシート、別清算になってたんで。」
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