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それに、毎年のようにバレンタイン当日、マサトが収穫なしで帰ってきても、家で姉と妹からチョコレートをもらえた。
前日に嫌というほど試食させられたものの、完成版だ。
学校ではゼロでも家に帰ればちゃんとチョコレートがもらえているので、普通の男子高校生よりはマサトは恵まれた部類だった。
ともあれ、今日はまだ十三日。次はどんな菓子を食べさせられるのだろう、と考えながら、チョコレートのにおいを吸い込んで、マサトははあとため息をつく。
今日を乗り切れば、明日にはちゃんとしたチョコレートがもらえる。
そう自分にいい聞かせて、早く明日にならないかなあと考えた。バレンタインは、姉と妹にはさまれたマサトの、密やかな楽しみなのだった。
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