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すると、口内でおかしな甘みと酸味が広がった。
「ぐはぁっ?」
予想外の味に、びっくりして悲鳴が漏れる。口の中のトリュフは、またたく間に溶けていった。
だがそれは決してチョコレートの口どけがよかったからなどという理由ではなく、トリュフの中につまっていたものに原因があった。
「えっとね、ラズベリージャム入れてみたの」
どうどう? と聞いてくる妹に声も出ない。
甘いのか酸っぱいのかわからないこれは、噛めば噛むほど口に広がって大変なことになる。そう思ったマサトはほとんど噛まないまま、それをごっくんと飲みこんだ。
「どうかな?」
「大惨事だよ!」
感想を求める妹に、マサトは涙目でいった。
「比率がおかしいっ。外装のチョコレート溶けた瞬間味がほとんどジャムじゃないか!」
よく作ったな、と、変な感心を抱いてしまった。
せりなはえー、と声を上げる。
「でも中にフルーツジャムっぽいのが入ってるチョコレートお店で見かけるしー」
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