日曜日の森

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店員さんが中へと戻って行った小さな窓へ近づくと、意外に窓が大きくてここが入口だと気付いた。 その窓のような入口を入って行くと、ショーケースの向こうにさっきの店員さんがいた。 「チョコケーキは、この『ザッハトルテ』と『ガトーショコラ』の2種類ありますが」 店員さんがまた、聞いてくる。 ショーケースのケーキを見ると、長すぎるカタカナの名前ばかりで、どれが何かさっぱりわからなかった。 「あっ……えっと……全部じゃなくて、えっと……」 「チョコケーキを2つともでよろしいですか?」 店員さんがナイフのような物をキラキラさせながら恐い顔で聞いてくる。 「はい!それでお願いします」 何を言っているのかわからなかったが、刺されそうなので従うしかなかった。
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