しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

スイッチ

「ふぅ～」

隣で思いきりため息をつく課長へ皆の視線が集まる。

「そろそろ時間ですね」

課長へ集まった皆の視線を、あわてて会議室の時計に方向転換させた。

事務所を出る時からため息ばかりで気にしていたら、予想通りにやってくれた。

会議室にはまだ他の営業所の課長が3人と、その補助役として来た2人しかおらず、偉い人が一人もいなくて私も気を抜いていた。

課長をコントロールするのは慣れているが、気を抜くと時々こうなる……

瞬時に気合いを入れ直し、課長の様子へ気を配りつつ、他の課長達の様子も視界にしっかり入れて偉い人が到着するのを待った。