スイッチ

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皆が席に着いたのを確認すると、案内してくれた女性が一人ひとり飲み物のオーダーを聞いてくれた。 いつも私がやっているので、誰かがやってくれると感謝が倍になる。 その感謝で、デザートはないだろうなというショックは消え去り、このまま座っているだけでいいという気楽さに、更に感謝が沸いてきた。 私は感謝しながら、飲み物のオーダーを聞いている女性の姿を見ていると、その女性のある仕草が気になった…… ……… 「私はコーヒー」 …… 「僕もコーヒーをお願いします」 …… 「同じで」 …… 女性は、一人ひとりのオーダーを紙に書いて顔を上げる際、一瞬だけある方向へ視線を向ける。
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