スイッチ

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今までに出会った事のない人種に、最初は少しひいたが、いつも予想外すぎる森部長のおかげで、単調な毎日変化をもちだした。 単調な毎日が嫌だった訳じゃない。 変化を求めていた訳でもない。 でも、一度変化を知ってしまうと、単調な毎日が飽きてしまう…… 「ナナミさん!」 アパートの入口へ一歩入ると、森部長が息を切らして走ってきた。 「どうしたんですか?何かあったんですか?」 部屋の前で待っているとばかり思っていたら、走って外へ出てくるので、何かあったのかと推測する。 しかも靴は片方スニーカー、もう片方はサンダルで、何故かジャージの上からスーツのジャケットを着ている。 おまけに手には缶ビールが握られていて、息を切らしている姿は、他から見たら不審者に間違えられて通報されそうだった。
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