しっかりナナミ

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「森部長!上から出ましょう。見たことあるんです、この上に扉があって、エレベーターの上に出られるんです!」 張り切って言い張った自分に少し照れたが、このまま助けを待っていても明日の朝まで状況は変わらない。 自分ひとりじゃ出来ない事だから、二人でよかったと安心もする。 どちらかが足場になって、一人が上に乗り天井の照明の板を外せば、四角い小さめの扉が見えるはずだ。 「ナナミさん、それは出来ないんですよ……」 私の提案に、はじめて森部長が抵抗する…… その事に少しショックを感じ、すぐに、焦りと不安が襲い、それが、怒りに変わる。 「出来ないって……やってみなければわからないじゃないですか!」 あきらめている森部長へ、焦って声を荒げてしまう。
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