しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

しっかりナナミ

「大丈夫ですか？ナナミさん。ケガをするといけないので、本当に無理はしないで下さい」

また、森部長の優しい言葉に心が鳴る。

でも、今はそんな事に気をとられている暇はない。
私は気合いを入れ、森部長へ
「大丈夫です」
とハッキリとした口調で返事をした。

森部長は私の返事に納得して、羽織っていたコートを脱いで15階のフロアへ放り投げ、15階の床へ手をかけるとピョンと跳ねてスルッとフロアへ上がった。