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「大丈夫ですか?ナナミさん」
何を大丈夫なのかわからないが、とりあえず帰るしかないので
「大丈夫です」
と答える。
ビルの1階玄関ホールを出ると、雪はやんでいたが、まだ冷たい風が頬を刺すように突いてくる。
ビル前の歩道には融雪剤が撒いてあるのか、人がよく歩いた所だけ歩道の柄が見える。
その柄を頼りに私の2、3歩前を森部長が歩き、その後ろを私が着いていった。
滑らないように歩くのに必死で、話す余裕がなかったのが、幸いだった。
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