しっかりナナミ

85/101
前へ
/569ページ
次へ
「大丈夫ですか?ナナミさん」 何を大丈夫なのかわからないが、とりあえず帰るしかないので 「大丈夫です」 と答える。 ビルの1階玄関ホールを出ると、雪はやんでいたが、まだ冷たい風が頬を刺すように突いてくる。 ビル前の歩道には融雪剤が撒いてあるのか、人がよく歩いた所だけ歩道の柄が見える。 その柄を頼りに私の2、3歩前を森部長が歩き、その後ろを私が着いていった。 滑らないように歩くのに必死で、話す余裕がなかったのが、幸いだった。
/569ページ

最初のコメントを投稿しよう!

750人が本棚に入れています
本棚に追加