しっかりナナミ

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「すいません!」 掴んでいた森部長の腕から手を離し、歩道脇に落ちてしまったマフラーを急いで拾い上げる。 マフラーに着いた雪を手で払い、森部長へ返そうとして森部長を見ると、私を見て固まっていた。 「……すいませんでした」 マフラーを落とした事でショックをうけるような森部長ではないことはわかっているが、何で固まっているのかわからない。 とりあえず謝ってマフラーを渡すが、変わらず固まっている。 「……あの…どうされました?」 あまりの寒さに固まったとも思い、さっき掴んでしまった森部長の腕をもう一度掴んで意識を確かめる。
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