しっかりナナミ

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「暖かい風、出てきましたよ。よかったです。……じゃあ私はこれで……」 コンロの火を止めお茶を入れようとしていると、森部長はそう言って鞄とマフラーを手に取り玄関の方へ向かおうとした。 「あっ……ありがとう……ございました」 夜遅いので、さすがに『お茶でも』と声をかけられず、帰る森部長へお礼を言って玄関へ向かう森部長の後を追う。 まだドキドキしていて、言葉が思うように出てこない…… お礼もハッキリと言えず、少しどもった声になってしまった。
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