しっかりナナミ

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「ありがとうございました」 玄関で靴を履く森部長へもう一度、今度はハッキリとお礼を言う。 森部長は振り返って、私へニコリと微笑む。 心臓が、ドキドキから、ドクドクと激しく叩く。 「……私は……しっかりしているナナミさんも好きですが、こうやって素直に、そのままのナナミさんも…好きです」 森部長の『好き』の言葉に、息ができなくなるほど、心臓がギュッとされる…… 「また……困ったら……困ってなくても、呼んでください」 森部長は、少し照れながらそう話してくれる。 何だかいつもの逆で、本当に夢を見ているようだった。
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