しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

思い込み

「こんなに遅くなって大丈夫？」

「大丈夫です。家近いですから」

夕方、早めに帰ってきてくれた真壁さんと打ち合わせを始めるとすぐに、真壁班の担当現場でトラブルがあった。

班員はまだ皆現場で、トラブルへ向かえるのは真壁さんしかおらず、打ち合わせを中断して真壁さんは現場へと急いで出ていった。

しばらくすると真壁さんから電話があり、遅くなるから打ち合わせはなしで先に帰っていいと連絡があった。

帰ろうか迷ったが、打ち合わせをしておきたい自分と、トラブル対処の為に事務所に一人連絡係がいると便利なので、力になれる限り手伝おうと思い、真壁さんが帰ってくるまで残る事にした。

そして、トラブル対処が終わり帰ってきて真壁さんと簡単に明日の打ち合わせを始めた。

真壁さんは私の帰りが遅くなった事を心配してくれたが、最近森部長の帰りが遅く、休みの日も森部長は出張で会えなかったりなので、家で退屈な時間を過ごすより、帰りが遅くなるまで仕事していた方が気分がよかった。