思い込み

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「座れない…ねぇ」 後ろから森部長が言う。 私はあわてて振り返り 「席、変わってもらえないか聞いてきます!」 と森部長へ言って、空いている席の近くの人へ他の席へ移動してもらえないか聞いてこようと動く。 「あ!大丈夫!!」 「え?!」 動き出した瞬間に、森部長に腕を引かれる。 森部長の声と、腕を引かれて驚いた私の声が大きくて、カフェテリアの半数以上の人が私達を見る。 その視線と、森部長の手の感触に、恥ずかしくて熱くなる…… 視線を向けている人達へ「すいません」と言いながら二人で頭を下げた。 その間、ずっと……森部長は私の腕を掴んだままだった。
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