しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

思い込み

「お手伝いしましょうか？」

本当は、そんな事より
「おかえりなさい。会いたかった」
と伝えたいのに、私もよそよそしく声をかけてしまう……

「あ……ありがとうございます」

森部長は少しだけ私へ視線を合わせて、またすぐに探し出した。

私も膝を床につけ、スーツケースへ手をのばす。

……どこに…行っていたのだろう。

それさえ聞けずに、一緒に探した。