ホントの想い

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「私も駅の向こうです。森部長も同じ方向なんですね、途中までご一緒させて下さい」 真壁さんにはこの前一度家の近くまで送ってもらったので、私のアパートは知っている。 でも、森部長と同じアパートだとは知らないし、知られたくない。 森部長についていくと言いそうな真壁さんと駅で別れてすんなり帰宅できるように、次の話の流れも考えておく。 「鬼頭さん、俺が送ってあげるから…森部長!失礼しました…」 真壁さんは私がそんなことを言って森部長へ迷惑がかかってしまったと思わせている。 夜道を一人で帰りたくない私を自分が森部長に代わって送ると言って、早く帰って食事をとりたい森部長を気づかっている様子を見せる。 森部長は、真壁さんは気が利く人と思われているんだろうなと思った。 さて、どうやって森部長と同じアパートだと知られずに帰ろうかと頭をフル回転させる。
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