しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

ホントの想い

「わかりました」

真壁さんは、少し元気な声でそう言った。

カフェで私に話した事、森部長の勘違いしている事を、森部長へは話さなかった。

「じゃあ、僕は先に帰ります。お疲れ様でした」

森部長へ一礼した真壁さんは、駅へ早足で駆けていった。

駆けていく真壁さんの背中を見ながら、森部長に腕を掴まれたまま、しばらく無言のまま立ちつくしていた……