しっかりナナミとおっちょこちょい森さん

お隣さん

「び……病院？」

森部長が声を発した。

大丈夫そうで安心する。

「森部長、アパートの階段から…」

「ああ！！」

私が話している途中に、森部長はいきなり大声を出して起き上がる。

「あっ！まだ横になっていた方がいいです。特に異常はなかったらしいですが、念のため24時間は安静にって先生が言ってましたから」

「また……異常なかったんですね……そりゃそうですよね……この胸の痛みは…」

森部長が胸を押さえて辛そうな表情をした。

胸が痛いと言ったので、心配になる……レントゲンでは骨は折れていないと言っていたが、森部長は持病があって、それが原因で胸が痛いのかもしれない。『また』って言ってたし。

「先生に診て貰いましょう！」

「あっ！違うんです！」

ナースコールを押そうとした私を森部長が止める。

止めようとした私の手を握った森部長の手の力強さに、元気が戻って少し安心する。